京漬物は「京の食文化」の引き立て役(川勝康行)

京漬物は「京の食文化」の引き立て役

2014年7月14日

京都府漬物協同組合理事長/(株)川勝總本家 代表取締役社長 川勝 康行

川勝總本家

川勝總本家

「家族の笑顔は家庭の食事から」川勝總本家からの提案です。

家族みんなで囲む食事の時間は、心身ともに満たされる和やかで楽しいひとときであってほしいものです。毎日美味しく食べるということ。共に味わう幸せを大切に考えていきたいと思います。

大正6年創業の川勝總本家は、あと三年で創業百年を迎えます。

職住一体の家内工業に始まり、私たちにしか熟成し得ない味わいやオリジナリティ、また製造環境としての「京の町家」にこだわりを持ち続けています。

初代は大八車に漬物樽を積み、京の町に売り歩く、引き売りのスタイルから商売をスタートしました。

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当時、漬物はどこの家でも作られていたため、他の食品よりも美味しいものでなければ売れませんでした。家庭漬との差別化を図るため、二度漬けをして味に深みを出す等、手間暇かけた新しい漬物を生み出しました。それが美味しいお漬物として市中で評判となりました。

京漬物は京料理と並ぶ食文化の象徴とされますが、もとは旬の野菜を料理の具材として使用するため、塩蔵保存していたものです。家族の健康や食の満足を考え、さまざまな工夫が積み重ねられてきました。実際に、野菜を漬物にすることで乳酸菌を手軽に摂取できるようになり、何よりも炊きたての白いご飯をより美味しく味わえ、旨味が増します。

弊社では月々の趣向を凝らした創作漬ものの「晦日漬」をはじめ、漬物を使って美味しく体にうれしい簡単に作れるレシピ「食卓の小わざ」の提案、漬物の普及、発展のための美味しさの秘訣体験「漬もの教室」の開催を行い、いずれも人気を博しています。

漬もの教室

漬もの教室

京都には伝統ある三大漬物、「千枚漬」「すぐき」「しば漬」があります。

「千枚漬」は、京都の伝統野菜である聖護院かぶらをかんなで薄くスライスし、塩だけで下漬けをした3~4日後本漬け作業に入ります。北海道昆布と醸造酢、砂糖でバランスよく漬け込みます。ひとつのかぶらを千枚になるほど薄くスライスしたことから、千枚漬の名がついたようです。聖護院かぶらの収穫時期は、毎年秋口から翌年三月頃までのため、販売期間はおおよそその期間のみとなります。彩り、味との相性から、壬生菜を添えて召し上がることが多く、白いかぶらに鮮やかな緑の壬生菜が映えます。

「すぐき」は秋に原菜のすぐきかぶらを収穫し、冬に入る頃に完成を迎えます。千枚漬と同様、京都の冬の代表的な漬物です。京都特産のすぐきかぶらを伝統的な製造方法で乳酸発酵させた独特の酸味のある漬物です。従来、社家ではすぐき漬を高級品として宮中などへの贈答品に用い、その製法を門外不出の秘伝としたため、結果的に栽培面積の広がりを抑えることとなりました。fuyu

「しば漬」は、茄子を赤しその葉とともに塩漬けし、乳酸発酵させた漬物です。

又、最近は若い人々にも好まれる新しいサラダ感覚の漬物が続々と製造され販売されております。

先般「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは私共にとっても大変喜ばしい出来事です。

・京都ではお茶うけに「京菓子」を使いますが、東北地方や信越地方ではお茶うけに「漬物」がもてはやされています。京都においても、この様に漬物も将来お茶うけにならないかと願っています。

・ホテルのパーティーにおいても「ご飯」「みそ汁」「漬物」がセットで常に出されるよう心より願ってやみません。

・学校給食においてはご飯に合う漬物を取り入れようとする意見も出ています。食材をすべて加熱処理する方針を決めており、ハードルはありますが、すぐきやしば漬、古漬けは熱湯殺菌ができ、数人分をパックで納入、昔の家族のように大皿で出して食べるのも食文化を継承する意味で大切ではないかと提案してまいります。

川勝 康行氏

川勝 康行氏

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