伝統伎芸とおもてなしの担い手「芸妓」「舞妓」

伝統伎芸を受け継いでいくため,芸妓や舞妓は厳しい稽古を積み重ね,座敷の客からの励ましを糧に,また,各花街の公演や五花街合同公演を一つの目標にしながら,日々,芸に磨きをかけている。

舞妓になるためには,置屋に住み込み,手伝いをしながら,舞・踊りなどの芸事や作法,京ことばなどを習得し,ある程度身に付くと,実際に座敷に出る見習い期間を経て,店出し(舞妓としてお披露目すること)し,その華やかな姿で座敷に彩りを添える。舞妓になった後も,芸事などの稽古を積み重ね,衿替え(芸妓※としてお披露目すること)する。gionchidori

そして,公演や座敷で,磨き上げた芸と併せて,その艶やかな美しさと優雅で洗練された所作で客をもてなす。

<舞妓から芸妓への道筋>
仕込み  →  見習い  → (店出し) →  舞 妓  → (衿替え) →  芸 妓

※ 芸妓は,舞・踊りを主にする立方(たちかた),或いは唄や三味線,鳴物などの演奏を受け持つ地方(じかた)として,得意な芸事に更に磨きをかける。

<現状と課題>

芸事や作法の習得など,厳しい稽古の日々が続くが,伝統伎芸とおもてなしの担い手としてやりがいのある芸妓や舞妓。しかしながら,華やかな舞妓だけに憧れる女性も多く,芸妓とならずに舞妓でやめてしまうケースや,芸妓となっても,置屋から独立することによる資金面の不安などから,自前とならずにやめてしまうことも多い。京都の花街では,芸妓の減少などにより,伝統伎芸の継承者の確保が課題となっている。

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